1.出発(Departure)
2014年、昨年に続き今年もパリに行くことが出来ました。有難いことです。昨年は、オランダのアムステルダム経由でパリに入りましたが、トランジットの煩雑さを昨年経験したので今年は直行便でパリに向いました。関西国際空港からの出発時間は約1時間程、遅くなります。
関西国際空港12:15発、パリのシャルルドゴール空港17:00着です。
搭乗口で、団体の若い人達が「お~、5時間で着くのか、以外と近いなあ」「あほ・・時差が8時間あるんやで。12時間45分かかるのや。」なんて騒いでいました。
遠いです。1日の半分以上の時間を飛行機内で過ごさなければなりません。それも、ひょっとして、ガンガン揺れる状態になるかもしれません。いつもながら飛行機の座席に座るまでは、落ち着きません。
さて、その座席、
事前にインターネット経由でとりたかったのですが、JTBの予約番号だけではONLINEでチェックインできません。狙う席は飛行機の真ん中部分で、かつ通路側の席。2時間半前に
関空のJTBでデスクに行くと、もうほとんどいい席はなし。2人が並べる席もなく、「お客さま、今日は満席でお席はバラバラになります。」
出発時間の30時間前からインターネットでチェックインできるので、そう、空港に2時間半前に着いても、もういい席は残ってないのです。
飛行機を前、真ん中、後ろと分けると、私は後ろのスペースの4列の真ん中の席、次男は少し前の窓側3列の席になる。私の左隣は、外国人、右隣は日本人の若いカップルでした。
定刻少し前にエアーフランス0291便、ボーイング777-200は関西国際空港をパリに向け離陸しました。この日は穏やかな天候だったので、昨年のような揺れはなく、1時間程度で日本海を渡り、大陸へ。
さすがにエアーフランス、機内サービスの始めの飲み物にシャンパンが出てきます。
酒を飲むとトイレが近くなるので、これは遠慮して、「ロウ」と言います。するとCAは「ドウ ロウ」と言い直して「水」を入れてくれました。
今年の4月から、フランス語を週2回習い始めました。学生時代にフランス語を少しかじっていたのですが、もう大変です。習い始めると基礎をほとんど忘れていることに気がつき、始めに入った「初級から中級コース」に加えて「初級コース」も受講しています。その結果週2回の授業となりました。なにせ、耳が遠くなりかけてるので、日本語も聞き取り難い中でのフランス語ですから、もう大変です。フランス語の勉強に関しては、なかなか厳しい日々を送っています。
今回の旅は、習い始めたフランス語がどれ位、喋れるか?通じるか?を試す旅でもありました。したがって、勤めて、フランス語を喋るように心がけました。
トイレの話ですが、普段でも、2時間に1回は小用でお世話になっているので、12時間45分の飛行機内では6回もお世話になる筈です。通路側の席であれば、自由に行く事ができますが、真ん中の席ともなれば、隣の人に了解をとりながらの話になります。頻度が高くなれば、かなり迷惑をかけてしまうので辛いのです。隣の人が寝ている時とか、パソコンで仕事をしている時とかは、非常に気をつかいます。
さて、飛行中はよく飛行経路を見ています。これは私の癖で、見ているのが楽しいのです。
この日は、昨年と違い、下の図に示すように大阪~パリ間の大圏航路、正規(と言っていいのかな?)のルートを飛んで行きました。大陸に入るとウラジオストックの上を飛び、バイカル湖の北側を通り、中央シベリヤ高原ー西シベリア低地ーウラル山脈ーフィンランドースゥーデンーヨーロッパ大陸へと入ります。
トラッキングを見ていると、飛行機が揺れる場所は、「海と陸の境界」「山脈の上」だ、と分かりました。やはり、ここら辺りは気流が乱れるのでしょう。この部分にさしかかる前にトイレなど済ませます。
さて、私の座席がある後ろの部分には、理容専門学校の生徒さんの団体がいました。若い人達なので結構、賑やかなのですが、驚く事にその人達のほとんどがマスクをかけています。前から見るとこれ異様な風景です。
フランスでは、このマスク、「私は病気ですから近寄らないで下さい。」と言う合図になります。従って、健康な人がマスクを着けることはしません。日本では、主として空気感染による病気を防ぐために着けるのですから、その習慣の違いによる誤解には十分に注意をする必要があります。
しかし、なんでこんなに若者にマスクが流行しているのかな?
また、
どこにでも、変な人はいるものですが。この飛行機にも居ました。トイレの前にずっと立っているのです。始めはトイレ待ちだと思っていたのですが、違うのです。立っているのです。不思議。
何かするんじゃないかと、不気味になります。なにもありませんでしたが。
12時間45分の飛行機乗りを堪能し、大きな揺れもなく定刻にパリ シャルル・ドゴール空港に着きました。
いや~っ、長かったです。昨年より1時間程長く乗ったのですが、12時間を境目にどっと疲れが出てきました。
パリの空港で、水が飲みたくて、自動販売機にとんで行きました。でも、ユーロコインを持っていなかったのです。
自動販売機の前で「
う~ん・・」と唸っていたら、
同じ飛行機に乗っていたフランス人が近寄ってたので、
「 I have no
COIN」と言うと、
なんと、
彼はユーロコインを持って来てくれたのです。
ペラペラの日本語で、
「これを使って下さい。」と。
驚きました。全く知らないフランス人なんです。
お礼を言って、ユーロコイン分の日本コインを受け取ってもらいました。彼は、そんなのいいですよと、言いっていましたが。
彼に、
「パリはいいですよね。」と言ったら、
「いえいえ、人間関係は日本の方がよっぽどいいですよ。」と。
「えっ、どう言うことなの???」と聞こうとしたのですが、誰かに呼ばれて足早に消えていきました。
思いもかけなかった彼の言葉から今年のパリの旅が始まりました。